君の瞳に映る色



玄関で派手な音がして、玲は
ウトウトしていた瞼を開いた。

子供達に放してもらえず、
時間も時間なので一緒に
部屋で寝転がっていた。

両隣で寝息を立てる子供達を
起こさないように注意して
玲はベッドを抜け出す。

「絢?」

リビングかと思えば、
リビングは明かりが消えたままで
人の気配はなかった。

玄関へ向かうと扉に
もたれかかるようにして
絢が立っている。

名前を呼ぶと絢が玲を振り仰ぐ。

「…どうした!?」

「…棗ちゃんが…」

絢は玲の腕の中に倒れこんだ。

「ハンターの男に襲われかけて…
あたしを助ける為に棗ちゃんが」

絢の膝がガクンと折れる。
玲は慌てて身体を支えた。

「大丈夫か?」

「…急に力を使ったから。
早く知らせなくちゃと思って」

玲は絢を抱きかかえると
リビングへと入った。