安定剤を混ぜたハーブティーを
玲に飲ませると、来たときに
比べ顔色も良くなってきた。

「玲ちゃん、だっこ」

まだ幼い妹が玲の脚に縋りつく。
姉の方はぴったりと玲に
寄り添って隣に座っていた。

2人とも玲がかなりの
お気に入りなのだ。

いつもは面倒くさがる玲も
抵抗する気力がないのが大人しく
妹を膝に抱き上げた。

「苦手な実家に血相変えて
戻るなんて、あんたらしくない。
その辺の子からもらっちゃえば
良かったのに」

無言のままの玲に
「棗ちゃんが好きなんだね」
と、絢は穏やかな声で言った。

玲を見ながらなんだか微笑ましい
気分になる。