無造作に頭を掻きながら 蹲っている玲は微かに 震えているようにも見えて、 血を吸われそうになった恐怖も 忘れて思わず玲に手を伸ばす。 「触るな!」 棗の手は玲の手によって すばやく払い除けられた。 「俺の傍に来るな」 低い呟きは意識していなければ 聞き逃しそうなほどだった。 玲は棗の横をすり抜けて部屋を 飛び出していく。 なにが起こったのか棗は まったく理解できなかった。