結局昼過ぎに起き出し、
駅前のショッピングセンターに
お昼と買出しを兼ねて向かった。
手を繋いで歩くのはいつもと
変わりないはずなのに、
ドキドキするよりも
くすぐったいような
安心するような複雑な気分が
胸を占める。
少し距離があるので
途中からバスに乗った。
「すっかり忘れてたけど、
風邪は?もういいの?」
隣に座る玲は気づけば、もう
いつもと変わらない様子だった。
「基本的に俺らは治癒力が
人間より格段に高いんだよ」
心配かけたな、と玲が棗の
頭を撫でる。
指先の熱が身体の神経を
刺激する。
玲はいつもするように髪に指を
くぐらせて梳かすようにした。
神経が髪に集中していく。
何往復目かの時に不意に棗は
玲の手に自分の手を重ねた。



