暁生が受話器を置くのを 見計らって青年が声をかける。 「東條って、あの東條っすか?」 そのようだ、と暁生は 溜め息を吐いた。 「…東條と言えば、なんか妙な ウワサをきいたんすけどね」 青年は思い出すように ボリボリと頭を掻いた。 電話を切った柊は隣の運転手に 声を掛ける。 「とりあえず、詳しい位置は わかりませんがその辺りを 探してみましょう」 薄暗い車庫のシャッターが ゆっくり開く。 まだ朝の白い光が照る街へと 車は走り出した。