どうかしてるわ、
心の中で呟いた。
思えば無理やりに初めてのキスを
奪われ、偶然知ってしまった
弱点のせいで血を吸われかけた。
助けてもらった事も
何度かあるがその意図は
まったくよくわからない。
気まぐれなのか、なんなのか。
それに…。
心に引っかかっていることを
棗は思い浮かべた。
玲にとって女性は“食事”の
対象なのだ。
わかっていたことでも
胸が苦しくなる気がする。
振り返って玲の寝顔を
再び見つめた。
いい人なのか、
そうではないのか。
まとまらない考えを手放して、
抱えた膝に棗は頭を埋めた。



