カートを押しながら前を行く
玲の後ろ姿を見ながら、
棗はこめかみに手を当てた。
少し頭が重い。
図書館の方を回ってきたので、
ちょうどスーパーについたのは
昼前だった。
主婦でにぎわうスーパーは
色も多い。
歩みの遅くなった棗に気づいて
玲は後ろを振り返った。
「気分悪い?」
こめかみを押さえる棗の手に
玲が手を重ねた。
触らないでって言ってるのに、
喉まで出かかった言葉が
気分の悪さに負けて止まる。
力なく棗は頷いた。
玲はカートを置いたまま
棗の手を引いて歩きだした。
店の端にベンチを見つけると、
棗をそこへ座らせる。
「待っとけよ、俺行ってくるから」
欲しいものある?と聞いてきた
玲に棗は黙って首を振る。
待ってて、と残して玲は売り場へ
戻って行った。
人ごみに消えていく玲を
ぼんやりと見ながら棗は深く
溜め息を吐いた。
玲の後ろ姿を見ながら、
棗はこめかみに手を当てた。
少し頭が重い。
図書館の方を回ってきたので、
ちょうどスーパーについたのは
昼前だった。
主婦でにぎわうスーパーは
色も多い。
歩みの遅くなった棗に気づいて
玲は後ろを振り返った。
「気分悪い?」
こめかみを押さえる棗の手に
玲が手を重ねた。
触らないでって言ってるのに、
喉まで出かかった言葉が
気分の悪さに負けて止まる。
力なく棗は頷いた。
玲はカートを置いたまま
棗の手を引いて歩きだした。
店の端にベンチを見つけると、
棗をそこへ座らせる。
「待っとけよ、俺行ってくるから」
欲しいものある?と聞いてきた
玲に棗は黙って首を振る。
待ってて、と残して玲は売り場へ
戻って行った。
人ごみに消えていく玲を
ぼんやりと見ながら棗は深く
溜め息を吐いた。



