玲が身体の向きを変えたので、
棗は自然とその先を眺めた。
玲の足の向かう先にはベンチが
何個か置かれただけの殺風景な
小さな広場があった。
遊具のない公園は子供達の
姿もなく静かだった。
玲がベンチに腰を下ろしたのを
少し離れた位置から
ぼんやり見ていると、視線が
ぶつかる。
急いで視線を地面に落とした。
目の端で玲がこちらを
見ているのがわかる。
「なぁ、さっきのってヤキモチ?」
眉をしかめて視線を戻すと玲は
口の端に笑みを浮かべていた。
「……何の話?」
「座れば?」
棗の質問には答えずに自分の隣を
視線で示す。
少し迷ったが棗は言われた通りに
腰掛けた。
玲が背もたれに手を置いて
棗の顔を覗きこんでくる。
棗はその視線から逃れるように
顔を背けた。
「何が嫌だったっけ?」
声の調子でからかっているのが
わかる。
その調子にイライラしながら、
昂っていた感情が段々と
落ち着いてくるのを感じた。
この男に、惹かれているなんて
気のせいかも。
そう思えてくる。
棗は自然とその先を眺めた。
玲の足の向かう先にはベンチが
何個か置かれただけの殺風景な
小さな広場があった。
遊具のない公園は子供達の
姿もなく静かだった。
玲がベンチに腰を下ろしたのを
少し離れた位置から
ぼんやり見ていると、視線が
ぶつかる。
急いで視線を地面に落とした。
目の端で玲がこちらを
見ているのがわかる。
「なぁ、さっきのってヤキモチ?」
眉をしかめて視線を戻すと玲は
口の端に笑みを浮かべていた。
「……何の話?」
「座れば?」
棗の質問には答えずに自分の隣を
視線で示す。
少し迷ったが棗は言われた通りに
腰掛けた。
玲が背もたれに手を置いて
棗の顔を覗きこんでくる。
棗はその視線から逃れるように
顔を背けた。
「何が嫌だったっけ?」
声の調子でからかっているのが
わかる。
その調子にイライラしながら、
昂っていた感情が段々と
落ち着いてくるのを感じた。
この男に、惹かれているなんて
気のせいかも。
そう思えてくる。



