触れ合うだけのキスに
するつもりが、柔らかく甘い唇に
触れてしまうと沸き起こる衝動が
止まらなくなるのを玲は感じた。
頬を両手で挟んで荒っぽく
唇を奪う。
棗の口から苦しげな声が漏れた。
夢中になっていると、
手に濡れた感覚がしたのと同時に
口の中にしょっぱい味が広がる。
目を開けると、涙で濡れた
ネイビーの瞳に自分が映った。
瞳に溜まった涙が零れ落ちるのを
玲は指で拭った。
「吐かない時は泣くんだな…」
苦笑しながら
「そんなに嫌い?俺の事」
と聞く。
棗はただ無言で涙を零しながら
玲を見つめている。
拭っても拭っても追いつかない
涙に玲は小さく笑いながら言った。
「俺はお嬢様の事、好きなのにな」
途端に棗の顔が苦しそうに歪む。
目を伏せると掠れた声で、
そんなの嫌、と呟いた。
「学校中に同じこと言う女がいる
くせに適当なこと言わないで」
ポタポタと落ちる涙が足元の
じゅうたんにシミを作る。
棗は玲から身体を背けると
自分で涙を拭った。
「他の女と一緒にされるのは嫌…」
するつもりが、柔らかく甘い唇に
触れてしまうと沸き起こる衝動が
止まらなくなるのを玲は感じた。
頬を両手で挟んで荒っぽく
唇を奪う。
棗の口から苦しげな声が漏れた。
夢中になっていると、
手に濡れた感覚がしたのと同時に
口の中にしょっぱい味が広がる。
目を開けると、涙で濡れた
ネイビーの瞳に自分が映った。
瞳に溜まった涙が零れ落ちるのを
玲は指で拭った。
「吐かない時は泣くんだな…」
苦笑しながら
「そんなに嫌い?俺の事」
と聞く。
棗はただ無言で涙を零しながら
玲を見つめている。
拭っても拭っても追いつかない
涙に玲は小さく笑いながら言った。
「俺はお嬢様の事、好きなのにな」
途端に棗の顔が苦しそうに歪む。
目を伏せると掠れた声で、
そんなの嫌、と呟いた。
「学校中に同じこと言う女がいる
くせに適当なこと言わないで」
ポタポタと落ちる涙が足元の
じゅうたんにシミを作る。
棗は玲から身体を背けると
自分で涙を拭った。
「他の女と一緒にされるのは嫌…」



