君の瞳に映る色

平日の昼間、人が少なくもない
スーパーで手を引かれて歩く。

ただ周りも気にならないくらいに
棗の頭はフル回転していた。
なんでそうなるのよ、頭の中で
呟いてみる。

1つの答えに行きついて棗は
目を伏せた。

『ヴァンパイアの弱点』か。

弱点なんて知らなければ
よかったと思う。
そうすればこの人は自分に
興味などなくなるのだろうか。


胸がチクリと痛んだ。



掴んでいた手を握り返されて
玲は棗を振り返った。
俯いたまま神妙な顔つきの
棗を見遣る。

気分悪い?と聞くと棗は
無言で首を振った。

玲はいったん手を離すと
指を絡めてもう一度繋ぎ直した。

自分よりも少し体温の高い
玲の温もりが直に伝わってきて
なんだかホッとする。

誰かの温もりって気持ちがいい。

そんな風に思えてしまう
自分が不思議だった。