俊と談笑する玲は学校で見せる
顔とも自分に見せる顔とも
全然違って穏やかに見えた。
雰囲気の違う表情につい視線が
向いてしまう。
女生徒を相手にしている時の
胡散臭い笑顔よりよっぽど
良く思えた。
自分で考えたことなのに急に
心臓の鼓動が速くなった。
慌てて考えを打ち消すように
頭を振る。
「なに百面相してるんだ?」
頬を指で突かれて意識を目の前に
戻すとすぐ前に玲の顔があった。
心臓が大きく鳴って顔が
熱くなるのを感じた。
なんだかおかしい、玲から顔を
背けながら心の中で棗は考える。
妙に顔が熱くなったり、風邪でも
引いたんだろうか。
「あの…」
話題を変えるために思わず呟く。
「子供は人間なんですか?」
俊は柔らかく笑って
玲君と同じだよ、と言った。
「俺の母親も人間だよ。
父親が純血だから
混血でも俺は力が強いけど」
よくわからないという顔をする
棗に玲は、「父親は純粋な
ヴァンパイアってことだよ」と
話す。
顔とも自分に見せる顔とも
全然違って穏やかに見えた。
雰囲気の違う表情につい視線が
向いてしまう。
女生徒を相手にしている時の
胡散臭い笑顔よりよっぽど
良く思えた。
自分で考えたことなのに急に
心臓の鼓動が速くなった。
慌てて考えを打ち消すように
頭を振る。
「なに百面相してるんだ?」
頬を指で突かれて意識を目の前に
戻すとすぐ前に玲の顔があった。
心臓が大きく鳴って顔が
熱くなるのを感じた。
なんだかおかしい、玲から顔を
背けながら心の中で棗は考える。
妙に顔が熱くなったり、風邪でも
引いたんだろうか。
「あの…」
話題を変えるために思わず呟く。
「子供は人間なんですか?」
俊は柔らかく笑って
玲君と同じだよ、と言った。
「俺の母親も人間だよ。
父親が純血だから
混血でも俺は力が強いけど」
よくわからないという顔をする
棗に玲は、「父親は純粋な
ヴァンパイアってことだよ」と
話す。



