屋敷に着くと櫂斗は黙って
棗の部屋へと向かった。
部屋へ入るなり後ろから抱き締め
棗の首筋に唇を押し当てる。
棗の身体が小さく震えた。
唇を離すと赤い痕が首筋に残る。
櫂斗は満足そうにそれを眺めた。
「僕が望んで今まで自分のものに
ならなかったものはないよ」
耳元で囁くように言いながら
櫂斗は乱れた制服を
脱がせていく。
棗はされるがままになっていた。
“君はお母さんの言いなりだな”
櫂斗に言われた言葉が
グルグルと頭を回る。
否定できない自分が悲しかった。
絶望感が抵抗する気力を奪う。
それでもベッドに横たえられると
寒くもないのに身体は
ガタガタ震えた。
恐怖と嫌悪感が込み上げる。
目をきつく瞑ると
涙が耳の方へ伝った。
「…っ…ひっく」
堪え切れずに
嗚咽する声が漏れる。
涙に濡れる棗の頬を櫂斗はそっと
両手で包んだ。
「心配しなくてもすぐに君は
僕に夢中になるよ」
櫂斗は顎を持ち上げて
唇を重ねる。
段々と深くなる口付けに
棗は息苦しさ以外の
何も感じなかった。
棗の部屋へと向かった。
部屋へ入るなり後ろから抱き締め
棗の首筋に唇を押し当てる。
棗の身体が小さく震えた。
唇を離すと赤い痕が首筋に残る。
櫂斗は満足そうにそれを眺めた。
「僕が望んで今まで自分のものに
ならなかったものはないよ」
耳元で囁くように言いながら
櫂斗は乱れた制服を
脱がせていく。
棗はされるがままになっていた。
“君はお母さんの言いなりだな”
櫂斗に言われた言葉が
グルグルと頭を回る。
否定できない自分が悲しかった。
絶望感が抵抗する気力を奪う。
それでもベッドに横たえられると
寒くもないのに身体は
ガタガタ震えた。
恐怖と嫌悪感が込み上げる。
目をきつく瞑ると
涙が耳の方へ伝った。
「…っ…ひっく」
堪え切れずに
嗚咽する声が漏れる。
涙に濡れる棗の頬を櫂斗はそっと
両手で包んだ。
「心配しなくてもすぐに君は
僕に夢中になるよ」
櫂斗は顎を持ち上げて
唇を重ねる。
段々と深くなる口付けに
棗は息苦しさ以外の
何も感じなかった。



