東條家の屋敷は西園寺のものより
一層大きく、庭も屋敷の裏の
遥か彼方まであるようだった。
きちんと刈り込まれた芝と花壇が
遠くまで続いている。
屋敷は歴史を感じさせる古い
洋館で、入り口には大理石の
彫刻も置かれている。
細かい装飾の施こされた
大きな扉を前に立っていた
女性が押して開ける。
重たい金属の軋む音がした。
扉をくぐると
エントランスホールに
使用人達が整列していた。
何気なく辺りを見回して
女性しかいない事に気がついた。
そういえば車を運転していたのも
女性だった。
珍しいなと思いながら
彼女達の間を通り過ぎた時、
恐ろしい事実に全身が総毛立つ。
思わず頭を下げている
彼女達を振り返る。
どの女性も感情の色が
ほとんど見えない。
集中するとうっすら見える
感情の色の形は人間のものだが、
薄くて殆ど見えなかった。
「こんな事って…」
思わず呟くと、
どうかしましたか?と
案内していた女性が聞いた。
彼女を振り返ると、不思議そうに
じっと棗を見ていた。
一層大きく、庭も屋敷の裏の
遥か彼方まであるようだった。
きちんと刈り込まれた芝と花壇が
遠くまで続いている。
屋敷は歴史を感じさせる古い
洋館で、入り口には大理石の
彫刻も置かれている。
細かい装飾の施こされた
大きな扉を前に立っていた
女性が押して開ける。
重たい金属の軋む音がした。
扉をくぐると
エントランスホールに
使用人達が整列していた。
何気なく辺りを見回して
女性しかいない事に気がついた。
そういえば車を運転していたのも
女性だった。
珍しいなと思いながら
彼女達の間を通り過ぎた時、
恐ろしい事実に全身が総毛立つ。
思わず頭を下げている
彼女達を振り返る。
どの女性も感情の色が
ほとんど見えない。
集中するとうっすら見える
感情の色の形は人間のものだが、
薄くて殆ど見えなかった。
「こんな事って…」
思わず呟くと、
どうかしましたか?と
案内していた女性が聞いた。
彼女を振り返ると、不思議そうに
じっと棗を見ていた。



