入り口で呼び止められた
Cクラスの女生徒は
珍しい訪問者に目を丸くした。
入り口近くの生徒も物珍しそうに
棗を見ている。
「沼淵さんなら保健室に行った
みたいだけど」
言われて棗は保健室へ向かった。
初めて瑠璃を見た時のことを
思い出す。
保健室の前まで来ると外にも
啜り泣く声が聞こえてきた。
溜め息を吐いて棗は
ドアを開ける。
蘭と瑠璃が顔を上げて
同時に棗の方を見た。
赤く腫れた大きな瞳には涙が
溜まっている。
棗が何か言う前に瑠璃が
口を開いた。
「ごめんなさい」
言葉とともに新たな涙が
ポロポロ零れた。
棗は蘭の前に座っている瑠璃の
手を引くと強引に保健室から
連れて出た。
廊下に出るとちょうど始業を
知らせるチャイムが鳴った。
その音を頭の端で聞きながら
保健室の横手にある非常用の
扉から外の通路に出た。
渡り廊下は体育館や別棟に
繋がっている。
そこから外れ棗は中庭の方へと
向かった。
Cクラスの女生徒は
珍しい訪問者に目を丸くした。
入り口近くの生徒も物珍しそうに
棗を見ている。
「沼淵さんなら保健室に行った
みたいだけど」
言われて棗は保健室へ向かった。
初めて瑠璃を見た時のことを
思い出す。
保健室の前まで来ると外にも
啜り泣く声が聞こえてきた。
溜め息を吐いて棗は
ドアを開ける。
蘭と瑠璃が顔を上げて
同時に棗の方を見た。
赤く腫れた大きな瞳には涙が
溜まっている。
棗が何か言う前に瑠璃が
口を開いた。
「ごめんなさい」
言葉とともに新たな涙が
ポロポロ零れた。
棗は蘭の前に座っている瑠璃の
手を引くと強引に保健室から
連れて出た。
廊下に出るとちょうど始業を
知らせるチャイムが鳴った。
その音を頭の端で聞きながら
保健室の横手にある非常用の
扉から外の通路に出た。
渡り廊下は体育館や別棟に
繋がっている。
そこから外れ棗は中庭の方へと
向かった。



