薬が効いてきたのか棗の容体は
少し安定したようだった。
なかなか戻らない蘭に
先生遅いな、と樋野が呟く。
とっくに授業は始まっていたから
自分のクラスに戻るべき
なのだろうが何となく出にくい
雰囲気でそのまま隅にある椅子に
座っていた。
瑠璃は座りもせずにベッドの傍で
じっと棗を見ている。
瑠璃のことは部活中に
見かけたことが何度かあったので
顔を知っている程度だ。
大人しそうな雰囲気だと
思っていたが意外としっかりして
いるのかも?そんなことを
樋野はぼんやり考えた。
ドアが開いたので蘭かと思って
そちらを見ると玲が女性連れで
立っていた。
「何よ、人いっぱいいるじゃん」
明らかに不機嫌そうに
女生徒は言う。
3年生のようだ。
学生とは思えない派手な化粧と
くるくる巻かれた茶髪の髪、
会長としての指導力は
尊敬するけど女の趣味は
相変わらずよくわからないなと
樋野は密かに思った。
まだいたのか、と玲に言われて
言う言葉が見つからず樋野は
何となくと答えた。
瑠璃の見守る棗に玲が視線を
移したので風邪らしい、と
付け加える。
玲は意外そうにへぇ、と言った。
「他行こうよ」
ドアのところで腕を組んで
女生徒は玲に声を掛けた。
玲はしばらく棗を見ていたが
やがてそうだなと言って女生徒の
腰に手を回し保健室を出ていく。
その様子に樋野は
そっと溜息を吐いた。
少し安定したようだった。
なかなか戻らない蘭に
先生遅いな、と樋野が呟く。
とっくに授業は始まっていたから
自分のクラスに戻るべき
なのだろうが何となく出にくい
雰囲気でそのまま隅にある椅子に
座っていた。
瑠璃は座りもせずにベッドの傍で
じっと棗を見ている。
瑠璃のことは部活中に
見かけたことが何度かあったので
顔を知っている程度だ。
大人しそうな雰囲気だと
思っていたが意外としっかりして
いるのかも?そんなことを
樋野はぼんやり考えた。
ドアが開いたので蘭かと思って
そちらを見ると玲が女性連れで
立っていた。
「何よ、人いっぱいいるじゃん」
明らかに不機嫌そうに
女生徒は言う。
3年生のようだ。
学生とは思えない派手な化粧と
くるくる巻かれた茶髪の髪、
会長としての指導力は
尊敬するけど女の趣味は
相変わらずよくわからないなと
樋野は密かに思った。
まだいたのか、と玲に言われて
言う言葉が見つからず樋野は
何となくと答えた。
瑠璃の見守る棗に玲が視線を
移したので風邪らしい、と
付け加える。
玲は意外そうにへぇ、と言った。
「他行こうよ」
ドアのところで腕を組んで
女生徒は玲に声を掛けた。
玲はしばらく棗を見ていたが
やがてそうだなと言って女生徒の
腰に手を回し保健室を出ていく。
その様子に樋野は
そっと溜息を吐いた。



