手際良く熱を測り薬を飲ませる。
体温計を見ながら、
熱が高いわねと呟いた。
蘭は、ちょっと様子を
見ててくれる?と2人に頼むと、
「担任の先生に言って家族に
連絡してもらうわね。
この様子じゃ授業には出れない
でしょうから」
そう言い残して保健室を
出て行った。
風邪と聞いてもまだ不安げな
表情で瑠璃は棗を見つめた。
肩で息をしている棗はかなり
苦しそうに見える。
ふと思い立って瑠璃は薬などが
並ぶ棚に駆け寄る。
冷却シートを棚の一番上に
見つけて手を伸ばした。
だが身長の低い瑠璃にはもう
少しのところで手が届かない。
それに気付いた樋野が手を
伸ばしてシートを手に取った。
これ?と聞かれ樋野の方に
瑠璃は視線を移す。
ありがとうとお礼を言いかけて
意識のない棗を除けばこの空間に
2人きりだということに
今さら気が付いた。
思わず目を逸らして
俯いてしまった。
そんな瑠璃に樋野は
わけがわからず首を傾げる。
「沼淵と西園寺って仲いいの?」
疑問に思っていたことを
素直に樋野は口にした。
瑠璃は俯いたまま友達です…一応
と、消えるような声で言った。
一応って何と樋野は笑ったが
瑠璃はそれに答えなかった。
棗の気持ちは知らないが
自分は友達だと思っている。
でもそれを
口にしたくはなかった。
体温計を見ながら、
熱が高いわねと呟いた。
蘭は、ちょっと様子を
見ててくれる?と2人に頼むと、
「担任の先生に言って家族に
連絡してもらうわね。
この様子じゃ授業には出れない
でしょうから」
そう言い残して保健室を
出て行った。
風邪と聞いてもまだ不安げな
表情で瑠璃は棗を見つめた。
肩で息をしている棗はかなり
苦しそうに見える。
ふと思い立って瑠璃は薬などが
並ぶ棚に駆け寄る。
冷却シートを棚の一番上に
見つけて手を伸ばした。
だが身長の低い瑠璃にはもう
少しのところで手が届かない。
それに気付いた樋野が手を
伸ばしてシートを手に取った。
これ?と聞かれ樋野の方に
瑠璃は視線を移す。
ありがとうとお礼を言いかけて
意識のない棗を除けばこの空間に
2人きりだということに
今さら気が付いた。
思わず目を逸らして
俯いてしまった。
そんな瑠璃に樋野は
わけがわからず首を傾げる。
「沼淵と西園寺って仲いいの?」
疑問に思っていたことを
素直に樋野は口にした。
瑠璃は俯いたまま友達です…一応
と、消えるような声で言った。
一応って何と樋野は笑ったが
瑠璃はそれに答えなかった。
棗の気持ちは知らないが
自分は友達だと思っている。
でもそれを
口にしたくはなかった。



