団体で保健室を訪れた4人に
校医の蘭は少し驚いた。

蘭がぼんやりしているうちに
玲は勝手に棗をベッドへと運ぶ。
蘭は一番話の通じそうな瑠璃に
どうしたの?と聞いた。

そう言われて困ったように瑠璃は
隣の樋野を見上げた。
瑠璃の視線に気づいて
樋野も瑠璃を見る。
いきなり倒れて…樋野は
歯切れの悪い答え方をした。
玲は棗を寝かし終わると
俺はこれで、と
保健室を出ていく。

蘭はとりあえず棗の側に行き
様子を確認した。

「西園寺さんてどこか
悪いんですか?」

後ろから瑠璃の不安そうな
声が聞こえる。
うーん、と蘭は苦笑いしながら
振り返った。

「風邪じゃないかしら」

蘭の言葉に樋野も瑠璃も
目を丸くしていた。
蘭は見た限りの所見を
2人に伝える。

「西園寺さんたら痩せてるのに
小食みたいだから貧血気味だし、
頭痛持ちでよく気分悪くしてる
のよね」

心配そうに棗の側に寄る瑠璃に
蘭は大丈夫よ、と頭を撫でた。