「たくさん買ったね」

「そうだな」


結局、今日の昼食は麻婆豆腐、餃子、生野菜サラダになった。


「結構、曇ってんな…」

「ホントだ。さっきまで太陽見えてたのに」


空を見ると、雲に隠れて太陽が見えなかった。

でも、雨が降りそうな雲じゃない。


「ねぇ、五十嵐君。荷物持とうか??そんなに持ってちゃ、キツいでしょ?」


五十嵐君は、私に荷物を持たせないで、食料がいっぱい入った袋を3つも持ってる。

スーパー出る時にも聞いたんだけど、五十嵐君は『俺は男なんだから、俺に持たせとけ。お前に持たせたら、ぐちゃぐちゃになりそうだからな』だって。


私だって、ちゃんと持てますよーだ!


「じゃあ、お前1つ持ってみ?1番軽いやつ」

「うん、持つ!」


五十嵐君から袋を渡され、それを持つ私。


お、重……。

な、何これ…。


こんなのを五十嵐君は1人で3つを持ってんの!?


持てないほど重いって訳じゃないけど、これをずっと持ち続けるのは、キツい…。


「くぅぅ…」

「ん?どした?重いのか?」


五十嵐君の顔がニヤっとする。


五十嵐君はSい気がする。


「持ってやろうか?」

「いい!!」

「ふ~ん?いいんだ?」


ポタッ ポタタッッ


「!?雨!!?」


ポタタタタタッッ

ザ――――ッッ


「ヤベェ!!お前、風邪ひくだろうから、これ頭に被ってろ!」


五十嵐君は荷物をサッと置き、羽織っていた薄いシャツを私の頭にかけた。


「シャツ、頭から落とすなよ!!荷物は俺が持つから、家まで走るぞ!!!」

「分かった!」


私達は大雨の中、家まで走り出した。

…ってか、五十嵐君のシャ、シャツが私の頭にのっかってる…!!

私の頭のてっぺんが、すごく熱い…。


五十嵐君のこのシャツの温もりを感じようとしているっぽい…!


めっちゃ、熱い…!!