「本当は?」

「バカだよな」

「なっ…!??何よ、それ!何か、もっと違うのと思ってたのに…」


ん…?

栗原、スネてる…のか?


あ。何か、栗原の顔がほんのり赤い…。



ああ。そういえば。


栗原、男慣れしてなかったな。


「俺がもっと優しいこと言うと思ったか?」

「………ぅん」


……。

何だ、その最後の″うん″は…。


マジメに俺が言うとでも思ったのか…?


「ねぇ。すごく話変わるんだけど…」

「ん?」

「あのワンちゃん、シン君?だっけ?あの子って、いつから飼い出したの?」


おい。

めちゃくちゃ話変わるな。


まぁ、話すけど。


「シンは、和貴が小1になる前に親が買った」

「へぇ~。いいよね~、動物は。私も欲しいなぁ」

「…飼い始めればいいじゃないか」

「ムリだよ。私ん家、マンションだし、お金ないし、世話する人も居ないし…」

「ふぅん…」


栗原ん家、金ねぇのか…。


庶民だな…。(←俺も庶民だが)