6月、季節は梅雨。


見上げた空はどんよりとした灰色で、毎日の持ち物には傘が加わる。




そんな天気以上に沈んでいるのは、私の心だった。




その原因は中間テストの結果。


今回、初めて赤点を取ってしまったのだ。

しかもその教科は数学だった。



体育祭の少し前に行われた中間テスト。


騎馬戦やヴァイオリンの練習、そして先生に対する気持ち、宮本さんのこと…


たくさんのことが重なって、気が付くと中間テストが始まっていた。

そして、ちゃんと準備ができていない状態で試験に臨んだ。



あまり得意ではない数学は、勉強をしなければ当然分からなくて、ほとんど解けなかった。





そして、工藤先生に呼び出されてしまったのだ。