宮本さんの宣戦布告から2週間が過ぎ、体育祭も直前に迫っていた。


今日は最後の騎馬戦の合同練習。


「先生、遅いよ〜」

少し遅れてきた工藤先生に甘えた声でそう言うのは、もちろん宮本さん。



あれから、毎回の練習で宮本さんは先生に猛アタックしていた。


人間の慣れという能力は便利なもので、初めは見ているのも嫌だったが、今では呆れるようになった。


先生がほとんど相手にしていないせいもあるかもしれない。


練習が始まっても宮本さんは先生のことばかり意識していた。


「おい、宮本!真面目にやれよ」

と先生に言われても

「はーい。じゃあ先生見ててね!」

と全く反省することはない。