「痛っ」

右足をひねったことを忘れて思い切り歩いてしまった。



「井上、怪我してるのか?」


「はい。足、ひねっちゃって」



さっきは先生に身を任せていたから大丈夫だったんだ…


と思ったら顔が熱くなってきた。



「大丈夫か?ほらっ」

そう言って、先生はかがんだ。



「えっ」


「早く乗れよ」

と微笑む先生。



それって、おんぶってこと?


恥ずかしくて、戸惑っていると



「うわぁ」



先生がいきなりお姫様抱っこをした。


「おんぶよりこの方がいいのか?」

とニヤリと笑う先生。



慌てて首を振って、

「おんぶにして下さい!」

と必死に主張した。



先生は笑いながら、私を下ろしておぶった。