「…。」



何も言えない



「私は千嘉ちゃんには敵わないから愛武くんのことは諦める

だから、幸せになって?

千嘉ちゃんを幸せにして?」


幸せ?



「俺、千嘉のこと…愛してないから…幸せには出来ない」



「愛してないから幸せには出来ない?

………何言ってるの!?

愛武くんは千嘉ちゃんのこと好きでしょ?」



「好きだけど愛してないから、」



「愛してるなんて思わなくていいんだよ?

段々好きから愛に変わるんだから

初めから人を愛せる人間なんかいないよ?」










「…千嘉、まだ学校にいるかな?」



「帰っちゃったかも」




「じゃあ俺も帰るわ

色々言ってもらえて心が軽くなったよ

ありがとう」




「どういたしまして」