プリンは素材の味が活かされていて、とても美味しかった。

あたし好みに甘さ控えめなのも嬉しい。

「明日は何が良い?」

「そうだねぇ。ゼリーが良いな」

「分かった。何味が良いかな? 季節的に桃とかが良い?」

楽しそうに話す彼女。

この瞬間が一番幸せだった。

誰にも邪魔されず、二人きりでいられるこの時間が。

なのに…。

一足先に食べ終えたあたしは、ハンカチで口元を拭いた。

そして彼女もあたしより後に食べ終え、一息ついた。