『行けるわけ…ないじゃん。』


切れた電話に向かってつぶやいた。


『・・・』


そういいながらもてきぱきと支度をし始めてしまった。


泣いて腫れた瞼を冷やして


服も準備した。


仕事をしにいくのにこんなにワクワクしたのは初めて。


早く…早く…


早く愁弥にあいた…


ん?


今あたし会いたいって…思った?


そんなわけないよね?


『…よし。いこぅ。』


ガチャ


空は雲なんてひとつなくて薄い水色でずーっと続いていた。