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芹が泣き止んだと同時に、律は手際よく紅茶を淹れた。
角砂糖を三個入れる音を聞いて、芹はゆっくり立ち上がり椅子を近くまで運んでから座り直す。
受け取ったマグカップに口をつけ、一口啜ると気持ちが落ち着いてゆくのがわかった。
多分、今自分は酷い顔をしている。
人前で泣いたことも久しぶりだった。
寧ろ泣いたこと自体が久しぶりかもしれない。
律の顔を見ると、いつもと変わらない冷めた視線で芹を見ていた。
「そういえば、あの歯ブラシ」
気まずいと言うか若干照れがあるのを隠そうと、芹は口を開く。
「ああ、あれ?」
「なんでコップと歯ブラシが増えてるんだろうとさっき思ったんだけど」
芹の目線の先にあるのは律の緑の歯ブラシが挿してあるコップと、青い歯ブラシが挿してあるコップ。
以前自分が使った使い捨ての歯ブラシは白だったのを記憶している。
「貴方が歯を磨きに来るだろうと思ってね。使い捨てより、一本あった方が経済的でしょう」
自分の紅茶を啜りながら、何食わぬ顔で律が言う。
だが芹は嫌なような、嬉しいような曖昧な気持ちを抱えてしまう。
芹が泣き止んだと同時に、律は手際よく紅茶を淹れた。
角砂糖を三個入れる音を聞いて、芹はゆっくり立ち上がり椅子を近くまで運んでから座り直す。
受け取ったマグカップに口をつけ、一口啜ると気持ちが落ち着いてゆくのがわかった。
多分、今自分は酷い顔をしている。
人前で泣いたことも久しぶりだった。
寧ろ泣いたこと自体が久しぶりかもしれない。
律の顔を見ると、いつもと変わらない冷めた視線で芹を見ていた。
「そういえば、あの歯ブラシ」
気まずいと言うか若干照れがあるのを隠そうと、芹は口を開く。
「ああ、あれ?」
「なんでコップと歯ブラシが増えてるんだろうとさっき思ったんだけど」
芹の目線の先にあるのは律の緑の歯ブラシが挿してあるコップと、青い歯ブラシが挿してあるコップ。
以前自分が使った使い捨ての歯ブラシは白だったのを記憶している。
「貴方が歯を磨きに来るだろうと思ってね。使い捨てより、一本あった方が経済的でしょう」
自分の紅茶を啜りながら、何食わぬ顔で律が言う。
だが芹は嫌なような、嬉しいような曖昧な気持ちを抱えてしまう。



