*
締め切られていた保健室は、消毒液の独特の匂いが充満していた。
先に入っていった律が窓を開けると、雨の匂いが吹き込んでくる。
棚から真っ白なタオルを取り出すと、律はそれを芹に無言で手渡した。
芹も特に言葉を発せず、受け取って頭を拭く。
律が白衣を脱いでハンガーにかけ、芹の方に手を出す。
「ブレザー」
素っ気無くそれだけ言うので、芹も水分を吸って重くなっていたブレザーを脱ぎ、はい、とだけ言って渡した。
それも手早くかけてしまうと、今度はすぐにマグカップを用意し紅茶を入れ出す。
無言でなんでもこなしていく律を、芹は黙って眺めていた。
紅茶の香りが漂いだすと、律はジェスチャーで芹に椅子に座ることを進める。
素直に芹が座ると、律はマグカップを手渡してくる。
何もかもが、淡々と進む。
それが芹にはどこか心地よく、居心地が悪かった。
矛盾した感情が、妙に自分をそわそわさせる。
受け取ったマグカップは熱かったのに、雨で冷えた体には丁度良く感じられ、口をつける。
が、すぐに飲むのを止め、渋い表情になってしまった。
「……砂糖」
その表情をしっかり見られていたようで、芹は多少気まずい思いをしたが、正直に言うことにした。
暖かい飲み物は欲しいが、ストレートの紅茶は飲めない。
締め切られていた保健室は、消毒液の独特の匂いが充満していた。
先に入っていった律が窓を開けると、雨の匂いが吹き込んでくる。
棚から真っ白なタオルを取り出すと、律はそれを芹に無言で手渡した。
芹も特に言葉を発せず、受け取って頭を拭く。
律が白衣を脱いでハンガーにかけ、芹の方に手を出す。
「ブレザー」
素っ気無くそれだけ言うので、芹も水分を吸って重くなっていたブレザーを脱ぎ、はい、とだけ言って渡した。
それも手早くかけてしまうと、今度はすぐにマグカップを用意し紅茶を入れ出す。
無言でなんでもこなしていく律を、芹は黙って眺めていた。
紅茶の香りが漂いだすと、律はジェスチャーで芹に椅子に座ることを進める。
素直に芹が座ると、律はマグカップを手渡してくる。
何もかもが、淡々と進む。
それが芹にはどこか心地よく、居心地が悪かった。
矛盾した感情が、妙に自分をそわそわさせる。
受け取ったマグカップは熱かったのに、雨で冷えた体には丁度良く感じられ、口をつける。
が、すぐに飲むのを止め、渋い表情になってしまった。
「……砂糖」
その表情をしっかり見られていたようで、芹は多少気まずい思いをしたが、正直に言うことにした。
暖かい飲み物は欲しいが、ストレートの紅茶は飲めない。



