「まあ、何があっても構わないわ。取り敢えず保健室に来なさい」
真正面に立ち、いつものように淡々と言うと芹が漸く顔を上げる。
その表情はどこか驚きを隠せない様子で、一時置いてから小さく吹き出した。
「先生から呼び出されるって意外。何、やらしてくれる気になった?」
「勘違いしないで頂戴。タオルを貸してあげるからついて来なさいって言っているだけよ」
律の髪が水分を溜め込み、こめかみを流れていく。
芹の髪はもうすっかり濡れ切っていた。
「いい、別に。ああ、先生がキスしてくれるっていうならついて行ってもいいけど」
この間のように自虐的な微笑みを浮かべた芹が、挑戦的な瞳で律を見つめてくる。
「構わないわ」
律がその瞳をしっかり見返すと、芹は困惑したような表情を浮かべた。
昨日一昨日よりも表情が多いのは、やはりさっきのが相当応えたのだろうと律はまたため息をついた。
「自分が言ってることわかってる? 先生」
「勿論よ。それぐらいで貴方がここを動いてくれるなら、お安い御用よ」
次々と顔をつたう雨を拭うことも無く淡々と喋る律に対し、芹が鼻で笑った。
「結構安売りな女なんだな」
その顔は明らかに律を蔑んでいる。
それは軽いものではなく、酷く深い軽蔑に思えた。
真正面に立ち、いつものように淡々と言うと芹が漸く顔を上げる。
その表情はどこか驚きを隠せない様子で、一時置いてから小さく吹き出した。
「先生から呼び出されるって意外。何、やらしてくれる気になった?」
「勘違いしないで頂戴。タオルを貸してあげるからついて来なさいって言っているだけよ」
律の髪が水分を溜め込み、こめかみを流れていく。
芹の髪はもうすっかり濡れ切っていた。
「いい、別に。ああ、先生がキスしてくれるっていうならついて行ってもいいけど」
この間のように自虐的な微笑みを浮かべた芹が、挑戦的な瞳で律を見つめてくる。
「構わないわ」
律がその瞳をしっかり見返すと、芹は困惑したような表情を浮かべた。
昨日一昨日よりも表情が多いのは、やはりさっきのが相当応えたのだろうと律はまたため息をついた。
「自分が言ってることわかってる? 先生」
「勿論よ。それぐらいで貴方がここを動いてくれるなら、お安い御用よ」
次々と顔をつたう雨を拭うことも無く淡々と喋る律に対し、芹が鼻で笑った。
「結構安売りな女なんだな」
その顔は明らかに律を蔑んでいる。
それは軽いものではなく、酷く深い軽蔑に思えた。



