保健室アイロニー[短篇]

「煙草の箱にきちんと早死にしますって書いてあるでしょう。それを読んで吸ってるんだろうし、私が口出しすることではないわ」

 
健康を損ねます、だろう。

 
心の中で思わず突っ込んでから、芹は呆れて窓の外を眺める。
 
今日もまた天気が良く、窓の外の木々は新芽をつけ、どこか呑気な雰囲気が漂っていた。

 

ちょっと昼寝でもするか、と伸びをしてから立ち上がる。
 
さっきの担任との会話に疲れていたのもあるが、単にサボりたい気持ちが大きかったかもしれない。


「ベッド借りる」
 
それだけぶっきらぼうに言うと、律がノートを差し出してきた。

「ならここに利用者としてクラスと名前を書いて」
 

よくわからない、それが芹の率直な感想だった。

 
さっきは入ってくるな、と言った。
 
その後は歯を磨いていけ、と言った。

 
そして今度はベッドを使うことを許可している。

 

芹は頭を軽く書いてからノートとボールペンを受け取り、言われたとおり名前とクラスを記した。

律がそれを確認すると、ノートにチェックを入れながら口の端を持ち上げた。