今日もまた、几帳面なボールペンの音がし出す。
具合が悪いわけでもなく、怪我をしたわけでもないのに、出て行けと言われないのは何故かと思っていると、律の左手が流し台を指差した。
「使い捨ての歯ブラシが置いてあるから、歯を磨いていきなさい」
こっちを見ずに淡々と命令されるのにはムッときたが、確かに学校に知られるのは色々と不都合だと思って素直に立ち上がった。
流し台の横には洗われたコップと袋に入った白い歯ブラシがいくつか置いてある。
歯磨き粉は流し台の上の棚に置いてあったが、その隣に緑の歯ブラシが挿してあるコップが置かれていた。
それは律の歯ブラシで、もちろん芹もすぐに気づき何気なく手に取った。
『先生の歯ブラシ、使ってもいい?』
という台詞が脳裏に浮かんだものの、どうせまた嫌味を言われて終わるだけかと思って歯ブラシをまたコップに挿し直す。
封を開けた新しい歯ブラシを濡らして歯磨き粉を付けて歯磨きをしながら、どうやったらこの教師が困るのだろうか、と芹は考え、律の横姿を眺めていた。
結われた髪は適度に崩れ、うなじに後れ毛がかかっている。
化粧は濃くないもののきちんとしているし、服装はいつもパンツにヒール、それに白衣。
それほど美人ではないのに、妙な色気があって男子生徒が憧れているのを芹は話だけ聞いていた。
芹自身は、特に魅力を感じたことがない。
具合が悪いわけでもなく、怪我をしたわけでもないのに、出て行けと言われないのは何故かと思っていると、律の左手が流し台を指差した。
「使い捨ての歯ブラシが置いてあるから、歯を磨いていきなさい」
こっちを見ずに淡々と命令されるのにはムッときたが、確かに学校に知られるのは色々と不都合だと思って素直に立ち上がった。
流し台の横には洗われたコップと袋に入った白い歯ブラシがいくつか置いてある。
歯磨き粉は流し台の上の棚に置いてあったが、その隣に緑の歯ブラシが挿してあるコップが置かれていた。
それは律の歯ブラシで、もちろん芹もすぐに気づき何気なく手に取った。
『先生の歯ブラシ、使ってもいい?』
という台詞が脳裏に浮かんだものの、どうせまた嫌味を言われて終わるだけかと思って歯ブラシをまたコップに挿し直す。
封を開けた新しい歯ブラシを濡らして歯磨き粉を付けて歯磨きをしながら、どうやったらこの教師が困るのだろうか、と芹は考え、律の横姿を眺めていた。
結われた髪は適度に崩れ、うなじに後れ毛がかかっている。
化粧は濃くないもののきちんとしているし、服装はいつもパンツにヒール、それに白衣。
それほど美人ではないのに、妙な色気があって男子生徒が憧れているのを芹は話だけ聞いていた。
芹自身は、特に魅力を感じたことがない。



