二人は大和の國の葛城山へ入った。葛城山はその昔、役小角が住んでいたとされる霊場である。雪の残る山あいの道を行くと、木立に埋もれるようにして古びたお堂が建っていた。わずかながらの玉砂利で埋まった境内では、水桶をかついでいる年の頃は十一か二くらいの小僧がいた。
「あっ、お帰りなさいませ。」
「うむ。」
どうやらここは無雲の住みからしい。
「あっ、お帰りなさいませ。」
「うむ。」
どうやらここは無雲の住みからしい。
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