それからの俺は、まるで機械のように、淡々と任務をこなしていった。
どんな危険な任務も全く物怖じせず、前代未聞のスピードで容易く次々と解決へ導いた。
今手を組んでる『れん』は、表向きは麻薬密売組織のリーダーだが、特捜部はれんが大物テロリストとも密接に関わっているという情報を入手した。
俺はれんの懐に入り込み、特捜部に情報を流し、最終的にはれんを逮捕するという特殊任務を命じられた。
テロリストがらみは必ず俺だ。
人間では決してこなせない任務だからだ。
俺のように心を持たない殺人兵器でないと。
そして死んでも誰も悲しまないような、天涯孤独の身でないと。
俺は殺し屋として闇の世界へ溶け込み、殺しの仕事をいくつかこなしていった。
そうして待つこと3ヶ月、れんの方から近付いてきた。
バーのカウンターで飲んでいると、れんはスッと俺の隣に座った。
そしてカウンター内のマスターに、
「彼と同じものを俺にも。」
と言って俺に微笑みかけた。
れんは身長170cmほどでさほど高くなく、細身の身体をパリッとしたイタリア製スーツで包み、その微笑はどこか冷淡さを帯びていた。
その完璧に整った顔立ちが、一層冷淡さを際立たせていた。
俺は一度れんを横目で見て、すぐにどうでもよさそうに再び前を向き直った。
そして肺に含んだタバコの煙を、思い切り吐き出し、持っていたロックグラスの酒を口に含んだ。
そんな俺にれんはためらうことなく親しげに話しかけた。
「調子はどうだ?」
俺は冷ややかにれんを見て
「誰だお前?」
表情一つ変えずに聞いた。



