鋭い視線を緩めたタキは口元を吊り上げる。

「敵なのに。」

「あたしより弱い。」

「だね。ナルちゃん、目に色がないよ。」

こっちに、手を伸ばすタキをあたしは避ける。

…触ってはダメ。

「…早く、あたしの前から消えて。」

冷たく言い放つ。

そして立ち上がった。

バイクの音がして、振り向けば十数人がこっちを睨んでる。

おそらく、この2人の仲間か何か。

情報回んのはやいな。

一瞥して、タキに視線を帰すと見据えた。

「早く行って。」