良壱は本当に真夜中に帰ってきたらしい。

自然と朝、目を覚ましたら隣に良壱が寝ていた。

…なんかイラついた。

その『何もしてません』みたいな寝顔がムカつく。

よほど寝つきが良かったのか、普通にベッドを出れた。

いつもは起きて、襟か腕を掴んでまたベッドの中に引き戻すのに…。

そんなのを少し期待してるあたしは、ほんのちょっと乙女になったのかもしれない。

早い時間に、良壱の家を出た。

別に学校まで歩いていけない距離じゃない。

裏門を通って、校舎に入った。

「あ、昨日の子。」

そんな言葉と声が聞こえてきた。