でも、浮かれ上がっている自分がいた。

初デートだ!!

「映画行きたい。」

素直に顔が綻んだ。

見たい映画なんてないけど、普通のデートでは映画に行くっぽいから。

「ん。」

それに応えるようにフッと笑った良壱。

「いつ?」

「あー…。」

「まだ決まってない?」

何となく予想はしていたけど。

でも『いつか』でも良いから、あたしはその日を待ちたいと思う。

嬉しくて飛び跳ねそうになる足取り。

はたから見れば、あたしだって普通の女の子だと思った。