買ってきたらしい煙草に手をつけず、テーブルの上に放り投げる。

しばらく沈黙が流れた。

二人が何を考えているのかよく分からない。

でも、何か…。

「今の東街のトップは?」

隣の良壱は夏弥に言う。

「翔(カケル)だと思う。」

「…あり得そうだな。」

小さく舌打ちした良壱。

何か、とてつもない疎外感を感じた。

「那瑠。」

怖いくらい真剣に名前を呼ばれる。