「……久しぶり。」

長い沈黙に耐えられなくなったあたしは言う。

「ほんと、久しぶり。那瑠にはあんなカッコ良い彼氏がいるなんて思わなかった。」

ニコニコしながら、喋り出す。

「落ち着いたみたいだね。」

「うん。すっかり。」

あたしは、聞いた。

「何かあった?」

……やっぱ似てる。

「うん?」

「さっきから目逸らしてばっか。」

慌ててこっちを見ても、遅い。

6つのベッドがあるこの病室は静か。

彼女は口を開かない。

「…お母さん。」