あたしは、他人の痛みや悲しみを一緒に背負えるくらい出来ていない。

自分自身、他人に迷惑をかけるくらいなのだから。

でも、受け入れていきたいと思う。

「…あたしは大丈夫。」

良壱の顔の輪郭を指でなぞる。

「だって、もしもなんかあったら良壱が守ってくれるもんね?」

「当たり前だろ。」

そんな風に自信満々に答えを返してくれるのは、良壱一人。

…じゃあ。

良壱とデートをする為にちゃっちゃとタキの件を終わらせたいと思う。

今時の暴走族は、頭を使う。

少し前の暴走族みたいにカチ込むとかはしない。

全ては計算のうえで。

作戦が左右する。