その夜、久しぶりに良壱と並んで寝た。 急に手を繋ぎたくなる。 欲望を抑えぬまま、仰向けに寝る良壱の右手に手を絡ませた。 そんな事に幸せを感じるあたしは、馬鹿。 馬鹿みたいに世界が狭くて。 その世界は、馬鹿みたいに良壱の言動ひとつで揺れ動いている。 「…キモい。」 …ムカつく時もあるけど。 良壱の顔を見た。 「キモくない。」 「ニヤついてんな。」 「微笑んでるんだよ。」 それでも、手は離さない。 問題は次の朝。