朝が来ない夜は本当にない。

…あるか、白夜って。

くだらない事を考えながら、玄関を出た。

梅雨を明けた重たい風が頬に当たる。

今日は百合祭。

「夏弥は?」

「さきに行った。」

「早起きだね。」

呆れた目で良壱に見られた。

はいはい、あたしが遅起きですよー。

あの学校の百合祭って何やるんだろうか?

「喧嘩祭りじゃないといいけど…。」

呟きながら、良壱のバイクの後ろに乗った。

「大体そうだろ。」

…え?

良壱から聞こえた言葉。

もしかして、それはあたしの呟きに対する答えでスか?