「見て見て夏弥。」

あたしは林檎の皮を差し出す。

「おぉ、長いね。」

「ね!!」

夏弥は良壱の家の布団で療養中。

あたしは林檎の皮をさっきから長く長く切っている。

「…いつまで居座るつもりだよ。」

「…え?」

良壱の言葉に真面目に反応したあたし。

「お前じゃねぇ。」

あぁ、夏弥か。

ちょっと一瞬だけ驚いたよ。

てか、主語いれないからだろーよ!!

「明日にはちゃんと帰る。」

「…あれ。夏弥って一人暮らししてるんじゃないの?」

もう実家出たって言ってた気が。