青い空を飛ぶ鳥。

でも、青い空の下を飛ぶ鳥。

“青い鳥”の総長に会ったのは、4月も終わりの頃。

どういう意図か知らないけれど、学校の校門の前で立っていた。

「…喝上げでもするの?」

煙草を吸うあたしに似ていない大きな背中に問う。

兄、羽瑠(ハル)は、ピクリと反応してあたしの方を向いた。

「よぉ。」

あたしのおふざけは、スルーらしい。

そんなに気にしていないけどさ。

「誰か待ってるの?」

「お前待ってた。」

煙草を下に落として、靴で火を揉み消す。

「引退おめでとさん。」

青空の下、清々しい笑顔で言っていた。