夢魔に追われた私には
悲しみさえも残らない。

吹き抜ける風は矢のように
空に輝く太陽は石のように
私に降り注ぐ。

痛い痛い痛い痛い痛い
怖い怖い怖い怖い怖い
呪文のように繰り返す言葉。

もう二度と眠れない。
もう二度と夢など見れない。
夢魔に追われたその日から
私はただの人形と化す。

一筋の光さえ掴めない。
一時の安らぎさえ拒む。
一瞬の油断が私を壊す。
一夜の悪夢が私を支配する。

いつまでも胸に残る
夢魔の嘲笑う顔。
いつまでも聞こえる
夢魔の私を呼ぶ声。

嫌だ と拒んでも
何処までも追いかけてきて
私を捕らえる。

手首からは血が滲み
涙のかわりに血を流す。

何もかも
消えてしまえと
心から
願えどそれは
朽ちる事なし。



†+――――――――+†

悪夢は人を狂わせる。

†+――――――――+†