私はそのままの勢いで 廊下を走ると 携帯を取らず 莉子の待つ場所まで走った。 「明奈遅いー」 莉子は軽く頬を膨らまして私を待っていたらしい 「てゆうか、息切らしてどうしたの?」 慌てて走ってきた私を不思議に思ったのか 莉子が私の顔を覗き込む。 「何でもない。ただ走りたくなっただけ」 無理な言い訳を言う私を莉子は怪しむ事もなく 「何だそりゃッ」 笑い飛ばしてくれた。