『ど、どこへ?!』
私が慌てて問うと、きょとんとした顔をする。
もはや、決まってるじゃないか、というように。
『ここに、だよ?俺の膝』
『えっ!!』
驚くと同時に、真っ赤になってしまう。
拓の、膝……。
そんな!!恥ずかしくて、勉強なんか出来る訳ないじゃない!!!!とか思っていると、
後ろでニヤリと笑う彼。
『さくら?早く』
グイグイと私の腰を座らせようとする、拓。
それに抗う、私。
いつまでも座らない私に、拓がつい言葉を放つ。
『もしかして、恥ずかしい?』
えっ、と思った時には、拓の膝の上に座って居た。
一瞬の隙に……。

