『さくら』



『な、何?』




拓は私の髪を絡め取って、優しくキスをする。



そしてニヤリと笑った。




その意味の分からない行為に、私はただただ、ドキドキする。




『俺が教えてあげるよ』



『へ?』





唐突な発言に軽く疑う。




『だから、さくらが補習に成らないように、俺が勉強教えてやるってこと』




拓が詳しく話すと、ようやく脳が意味を理解する。





『駄目よっ!!拓は自分の勉強があるんだから』




慌てて否定する。



嫌だから、じゃない。


むしろ拓の勉強を教えてくれるという好意は嬉しい。



たまらなく。