『そ、そうよ!!姫百合。素敵な名前でしょう?そう呼んで』 静寂が、居たたまれなくなり、言葉を放つ。 けれど、静寂は収まらない。 『姫百合……』 ようやく、秀くんが呟く。 何か、深く考え込んで。 想えば、私には愛称がたくさんあるわ。 白純美、さくら、スミ、そして…姫百合。 普通はこんなにないわよね。 どれも素敵だけれど。 『俺は、両方で呼ぶよ。スミが、姫百合、を望むなら』 秀くんは、そう言って私を見つめた。 私が、望むなら。 どちらでも良かったけれど、この静寂を打ち消すために頷く。