『分かったから、こっちおいでよ。変な女』 『変な女、は余計よ』 もう呆れたように言葉を吐く、秀くん。 彼の髪を、余計よ、で軽くはたいた。 銀色が日の光を浴びて、キラキラと煌めく。 綺麗、と単純に思う。 すぐに行き着いた先には、白い花を付けた木。 可愛いと思うけれど、見たことが無い。 『これは、何?』 『花水木』 淡々と言葉を落とす。 ハナミズキ。 ん、名前に聞き覚えあるわ。 けれど、これが花水木?