勇者は僧侶のなんなのさ

「私はずっと一人だった。一人にはもうならなくて良い」


ランスは酔っ払っているのかもしれない。


何か言うべきだろうが、かける言葉は見つからなかった。


「なぁ、なんでこんな能力を持ってしまったんだろうな、お互いに。辛くならないか?」


「ランス、出ようよ」


財布からお金を掴んでテーブルの上に置く。


目を丸くしている全員を無視し、ランスの手を握った。


「どうした?」


「ご馳走さまでした」


ランスには何もいわず、酒場を出た。


そのままランスを引っ張る。


最初は喚いたり怒鳴っていたランスも、途中からは静かになった。


「ここ」


ランスの手を離す。


「ここ?」


ランスは片方の眉を上げた。


ここはギルドの前。


昼間には人の出入りが激しいここも、今は誰もいない。


「ここだよここ」


入り口にある白い階段へ座った。


「一体何が?」


立ったまま周囲を見回すランス。


「三年前に初めてランスに出会った場所だよ」


ランスは勢いよくこちらを向く。


口を開いたランスを見ながら座っている隣を叩くと、ランスは近づいてきて座った。