シャワーを浴び終わった美桜を部屋にひとり残し、俺もお風呂に向かおうとする。



……でも、やっぱり。


――心配だ。





「美桜」

名前を呼ぶと、窓から月を眺めていた美桜が俺の方へと振り返る。


月の光で僅かに照らされた床に、長い髪が散らばるように影を落とす。



――やっぱり、惹きつけられる。



これが、何なのかは
まだよく分からないけど。




「おいで」

少しの期待を込めて言ってみる。



「未来――…」

美桜は甘えるように、俺に抱きついてきた。